定期配信物の作り方

定期配信で月額を取るようなビジネスの作り方について整理してみました。
itaru hamamoto (至)
2020.09.06
誰でも

結構昔に記事の執筆や音声の配信で月額を取るビジネスについて、とある Tweet を見ました。

誰の Tweet か覚えていないけど、おおよそ下記の感じだった。

定期配信のビジネスって実は誰でもできるものじゃないんだよね。自分の体験談やスキルの配信はネタが尽きる。世の中の時事性のあるネタを独自の専門性で永遠に切っていける人か、ファンから永遠にネタを提供してもらえる人じゃないと続かない。
誰かの Tweet

というわけで、定期配信物は作り続けるのが難しい。エッセイっぽいものだとひねり出せない事はないけど、誰が欲しいんだろう?って思う節もある。

今回は定期配信物を作り続けるにはどうすれば良いか?について考察してみたのでシェアしていきます。

***

定期配信の3つの要素

20本くらい海外のニュースレターを購読し、国内でも note などで定期配信されている方の記事を読んだり、Spotify で Podcast を聴いたりしています。

数年間そんな調子なので、だいたい定期配信として成り立つパターンが見えてきました。(逆に、更新が止まったパターンもたくさん見てきました。)

だいたい下記 3 つの要素を含んでいます。

  • News(時事性, トレンド)
  • Insights(洞察, 独自の視点)
  • Personality(タレント性, 人気)
定期配信の3つの要素 itaru.theletter.jp
定期配信の3つの要素 itaru.theletter.jp

この 3 パターンにきれいに定期配信物が分けられるというわけではないです。単なる要素なので、実際にはこの 3 つを複合して定期配信物はつくられています。

この 3 つの要素が全て重なる位置では、ネタが尽きることはないし、人気も衰えにくい最強の定期配信物だと言えるかもしれません。一つ一つ解説していきましょう。

News(時事性, トレンド)

これはとても分かりやすいです。単純に "最新情報を扱え" ということです。いわゆるニュースメディア全般に当てはまりますし、どの分野にも緩やかに時事性はあります。

とくに、定期配信物に適しているのは毎日 ~ 週 1 回ほどでトレンドが移り変わるテーマが望ましいです。

良い例:SNS業界のトレンド
悪い例:美術館展覧会情報

SNS業界は毎日ニュースがあります。TikTokが買収される!?Instagramにリール機能が追加!Twitterが課金機能を準備中。。。のように、トレンドの移り変わりも激しく、業界が目まぐるしく動いています。

一方、美術館展覧会情報は全国の美術館を集めても毎週更新は厳しいでしょう。展覧会は通常数週間同じものが展示されていますもんね。

News(時事性, トレンド)は、定期配信物の基本となってきます。しかしながら、News(時事性, トレンド)だけでは価値提供や差別化が難しいという欠点もあります。

なので、情報を取得すること自体が困難な領域は良いですが(戦争や災害の生の様子など)、付加価値をつけるためにキュレートしたり、次で説明する Insights(洞察, 独自の視点)と掛け合わせる必要があります。

また、News(時事性, トレンド)は鮮度という、時間が経つにつれて価値が下がる特徴があることも注意が必要です。

例えば、Global Cosmetics News は海外のコスメビジネスについてのトレンドを週 2 ~ 3 本のペースで更新しているニュースレターです。

usui.theletter.jp

日々のニュースをキュレート・解説し、定期配信が成立しています。

Insights(洞察, 独自の視点)

そして、定期配信物を発行する上で分かりやすい付加価値になるのが、Insights(洞察, 独自の視点)です。

これは、専門性と密接に関わってきます。例えば、ジェンダーという一つのトピックを扱う上でも、社会学という観点と進化心理学という観点では全く違った内容になるはずです。

この要素は「他では読めない」という価値をつけるのに非常に効果的ですが、専門性が高ければ高いほど一般人では理解が難しくなりますし、参考文献も多くなったりと配信頻度が落ちてしまう原因にもなるため注意が必要です。

私の中ではこの要素が強い配信物は、何度も何度も繰り返し読み(聞き)たくなるような魅力があります。翻訳記事も一部混じっていますが、私が何度も読み返している記事をちょこっと紹介してみます。

Steve Yegge の Google とプラットフォームに関するぶっちゃけ話を訳した

noteがFacebookやTwitterにならないためには、と考えてみた

Moat(モート): スタートアップの競争戦略概論

どん底時代のスティーブ・ジョブズの思い出

Personality(タレント性, 人気)

そして、最も想像しやすいのが Personality(タレント性, 人気)です。これは強くて、他二つの要素が弱くてもなんとかなってしまったりします。

芸能人がやっている定期配信物はだいたいこれに当てはまります。何より配信プラットフォームが変わろうと影響力を引き継げるところが強いです。

しかしながら、配信者本人自体が消費の対象となるので、炎上リスクやメンタルヘルスの問題と常に隣り合わせであることも忘れてはいけません。

また、ファンからネタを永遠にもらえるという特徴もあります。ファンからのコメントに答えるだけでも 1 コンテンツになるため、ネタを供給してもらえるのは定期配信の発行者としてはすごくありがたいですよね。

例えば、私が昔からフォローしている「じっちゃま」さんはここを上手く使ってコンテンツにしていっています。(定期配信物というか Twitter ですが)

twitter.com

フォロワーから寄せられる疑問を、理路整然とご自身の意見を述べられたり、過去の経験を語る口火に使ったりとにかく上手です。

https://twitter.com/hirosetakao/status/1297566427000471553?s=20
https://twitter.com/hirosetakao/status/1297566427000471553?s=20

投資銀行出身という専門性から導き出される Insights(洞察, 独自の視点)を持ちながらも、株という News(時事性, トレンド)要素が強いテーマを扱い、Personality(タレント性, 人気)があって、それぞれの要素が他の要素を補完し合っているような良い循環が見て取れます。

最初はタレント性がなくとも、読者から寄せられる声に耳を傾けたり、コンテンツにキャラを出してみたりすることでこの要素を強くすることができます。

スキルをシェアするような英会話Podcast や教則動画などを定期配信されている方は、競合が現れた時にこの要素が選ばれる理由になりやすいと思います。

私は配信者の人柄がなんとなく好きで Hapa英会話Podcast を聴き続けています。

***

時事性も少なく、独自の価値提案もあまり出せず、タレント性もない人がただ意見を垂れ流すブログのようなコンテンツでは、定期配信で収益を上げたり継続したりすることは困難です。どの要素をどう設計するか?どう伸ばしていくか?を考えながら定期配信を進めていくと良さそうです。

今回は定期配信物はどういった考え方でやると良さそうか?という疑問に対し、思考の整理として書いてみました。購読がまだの方はぜひ下記ボタンから登録してみてくださいね!

PS 我が家に巨大なアート(油絵)が届きました。

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