ニュースレターとメルマガの違いについて

よく聞かれるニュースレターとメルマガの違いについて、自分の考えをまとめてみました。
itaru hamamoto (至) 2021.01.13
誰でも

こんにちは!

最近、theLetter の LP を刷新しました。

itaru (濱本 至) | theLetter
@itarumusic
実は今朝の 4:00 ごろ、新しい LP ができました👏



これまで、サービスを触ってみた感じを利用前の方にあまり伝えてこなかったので、思い切ってデモムービーを作ってみました!



theLetter は、書き手の皆様と読者をつなぎ、互いに発信スペースを育てていけるような世界観に注力したいと思います。
2021/01/10 06:24
7Retweet 29Likes

それがキッカケして、業界で有名な方も Tweet していただけたりと、theLetter がちょっぴり噂になったんですよね。

そういうときによく質問いただくのが「ニュースレターってメルマガと何が違うんですか?」ということ。これ本当よく耳にしますし、私自身も聞かれる質問なので、一度自分なりの考えをこのニュースレターにまとめます。

***

📨 ニュースレターとメルマガの言語上の定義について

そもそもメールマガジンとは、ほとんど和製英語です。「Email Newsletter」をメールマガジンと翻訳したのがメルマガの始まりのようです。

時期としてはメルマガ配信サービス老舗の「まぐまぐ!」が誕生した 1997 年前後と思われます。

Mail Magazine と英語圏の人に言っても、あまり伝わらないようです。『Email Magazine』だとまだ伝わるようですが、Newsletter というのが一般的だそうです。

日本におけるニュースレターとメルマガの言葉の違いは、辞書的なレベルではまだ定義されていません。

しかしながら、昔から存在するメルマガと、近年英語圏を中心に大流行しているニュースレターは、その背景や性質、使われ方が明確に違います。そのため theLetter は、古くから存在するメルマガと差別化し、日本の Newsletter 体験を刷新するという意味で一貫して「ニュースレター」という言葉に統一しています。

メルマガの歴史

我々が定義する「ニュースレター」を知るには、メルマガの歴史を振り返る必要があります。下記にサラっと書いてみます。

🐣 メルマガ誕生期(2000 年前後 ~ 2005)

  • この時期はインターネット人口も少なく「メールアドレス」を持つ人が少なかった

  • そのため、広告やマーケティングではなく、コミュニケーションとしての側面で使われた

  • ASCII によれば、1998 年 8 月時点で 4,000 以上のメルマガを 425 万人が購読していたとのこと(すごい!)

まぐまぐ! 誕生時のインターフェイス

まぐまぐ! 誕生時のインターフェイス

🐥 メルマガ成長期(2005 ~ 2010)

  • ブログサービスやソーシャルブログなどの概念が誕生

  • プッシュ型チャネルとしての側面が企業から重宝され始めた

  • メディアも多く立ち上がり、企業の運営サイトと利用者・読者をつなぐ、WEBサイトへの流入を増大させるため活用された

🦆 メルマガ成熟期(2010 ~ 2015)

  • スマートフォンの誕生により、個人間利用としてはチャットや SNS などコミュニケーションツールの多様化が進んだ

  • そのため企業によるメールマーケティングの場としての利用が相対的に多くなる

  • メール離れが起こる

すごく簡単に書けば、こんな歴史だったと思います。私は本ニュースレター執筆時点でまだ 20 代ですが、メルマガといえば「見にくい」「いらない」「送ってほしくない」みたいなネガティブなイメージがあります。とくに企業から送られてくるものは全部宣伝でしょ、という感じです。

近年のメルマガは「何かを宣伝したり、何かの数字を上げるための場所」としての側面が強すぎますよね。

🇺🇸 英語圏でのニュースレターの流行

一方、英語圏ではニュースレターが今になって大流行しています。この流れは 5 年くらい前からあるようで、Online Journalism Awards というジャーナリズムの最も名誉ある表彰があるのですが、そこにも 2020 年よりニュースレター部門が新設されました。

Excellence in Newsletters <a href="https://awards.journalists.org/">https://awards.journalists.org/</a>

Excellence in Newsletters https://awards.journalists.org/

上記が 2020 年にニュースレター部門で表彰されたリストですが、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズのような大手メディアがニュースレターに投資していることが伺えます。また、Axios はニュースレターに特化したメディアとして発展し、2016 年開始から急成長しているメディアです。Popular Information は Judd 氏が発行する個人ニュースレターです。

個人においても、大手においても、新興メディアにおいても良質なニュースレターが出てきています。

詳しくは、過去にリサーチした記事を読んでみてください!

この流れに則したニュースレターに共通して言えるのは「ニュースレターのためにニュースレターを書いている」ことです。つまり、ニュースレターというコンテンツを作るために投資をしているということが共通しています。

そろそろ本題に。

ニュースレターとメルマガの違い🤔

WEBサイトの流入を増やしたい(今月の記事まとめなど)、商品の宣伝をしたい、という風に使われてしまっているメルマガとは大きく異なり、ニュースレターはそれだけで読み切れるコンテンツです。

読者目線からすると、メルマガは仕方なく登録されちゃったもの。ニュースレターはそのコンテンツが読みたくて登録したもの。それが開封率にも表れており、メルマガの平均開封率は老舗の大手サービスの Mailchimp によると 23%。我々のニュースレターは平均 65% 前後を保っています。theLetter は今、サービス全体で購読者が急増していますが、それでもこの開封率はサービスローンチ当初からあまり変わりません。

まとめると、メディア目線でいうとニュースレターという独自コンテンツにしているかどうか、読者目線でいうとそのニュースレターコンテンツを得たくて登録したのかどうか、がメルマガなのかニュースレターなのかの判断軸になるかと思います。

このあたりのお話は、Media Inovation さんというメディア業界向けの専門紙さんの開催する 2020 年の年末のイベントに登壇させてもらったときもちょろっとお話しました。

───メールマガジンとの決定的な違いはどこにあるのでしょうか?
1通で読了できるオリジナルコンテンツで、それ自体に価値を持たせたものをいわゆるニュースレターと捉えています。一方、単純に1週間の更新情報をまとめたものやマーケティング的なご案内など、ウェブメディアの数字の改善のために送っているものは、メールマガジンという捉え方をしています。

ニュースレターの不思議な魅力は、コンテンツという側面とコミュニケーションという側面を併せ持つところにあると思います。読者と長い目でコミュニケーションを取ることができる、世界観・ストーリーを点ではなく線で伝えられる稀有なチャネルでもあります。

ニュースレターが元々持つポテンシャルをさらに引き出し、theLetter としてのオリジナリティをつくっていきます。

***

2020 年 12 月はバタバタしてろくにニュースレターを書けませんでした。2021 年は、ニュースレターをたくさん書きたいです。月に 2 本 ~ 4 本はなんとか書いていきたい😂

日本のパッションエコノミー・スタートアップ起業・ニュースレター・theLetter などについて、このニュースレターを書いていくのでご興味ある方は下記から登録ください👍

よかったら Twitter 等でこの記事をシェアしつつ、いろんな感想・意見を書いてみてください!メルマガとニュースレターの定義に正解はないですからね😌

来月、おそらく下北沢から引越しすることになります。上京してからは三茶・代々木と住んできましたが、下北はとくに良いバイブスのある街でした。大声で歌いながら帰宅する人が多く、近所迷惑だなと思いつつも、めちゃくちゃ上手い人もいたりして。笑

スピンアウト系次郎の「ラーメン 玄」さんにはお世話になりました。

ではまた👋

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